『新・家庭の幸福』

シスタービープ第4回公演 上演作品
『新・家庭の幸福』(作/オカザキケント、原作/太宰治『家庭の幸福』『走れメロス』)





【あらすじ】
小さなミュージアムのエントランスに、受付係の男・津島。

ああ、早く帰宅の時間が来ればよい。平和な家庭の光を浴びたい。

きょうの一日は、ばかに永い…

九時…十二時…三時…四時……四時三十分――しめた!

入場締切りの時間だ。ばたばたと受付台の書類を片づける。

その時、いきせき切って、ひどく見すぼらしい身なりの男・早乙女が現われる。

「おねがいします」
「だめですよ。きょうはもう」
「おねがいします。きょうでなければ、僕、困るんです」

太宰治に曰く、「家庭の幸福は諸悪の本(もと)」。